2024年度 北嶺中学校 算数(1)
2024年度 北嶺中学校 算数 分析と解説(総評・大問1、2)
本年度入試では、例年通り大問は5問、小問総数は昨年度から3問増え、24問でした。このうち、大問1は計算問題が4題、大問2は単問形式の小問が6題でした。
難度が高い問題は、大問3(3)(4)、大問5(2)②
易しい問題は、大問4(1)(2)
それ以外の問題は、北嶺中学校入試として平均的な難易度の問題でした。
2024年度の出題内容は、次の通りです。
大問1 解説はこちら
(1) | 分数の四則計算(引き算) |
(2) | 小数・分数の四則計算 |
(3) | 分数の四則計算(還元算) |
(4) | 時間の四則計算 |
大問2 解説はこちら
(1) | 数の性質(四則演算の穴埋め) |
(2) | 割合に関する問題 |
(3) | 組み合わせ |
(4) | 平面図形(円の求積) |
(5) | 和と差に関する問題 |
大問3 解説はこちら
・和や差に関する問題、割合の複合問題(情報整理して求める)
大問4 解説はこちら
・時間と速さ
大問5 解説はこちら
・点・線・面の移動(立体の回転)
◎ 大問1
例年通り4問の構成でした。合格を目指すならば、確実に得点する必要があります。ミスなく、ていねいに取り組みましょう。
(1)
\begin{align*}
& 17\frac{19}{23}-7\frac{11}{13}
\\[9pt]=&17\frac{19\times13}{23\times13}-7\frac{11\times23}{23\times13}
\\[9pt]=&17\frac{247}{299}-7\frac{253}{299}
\\[9pt]=&9\frac{293}{299}
\end{align*}
\(\underline{\rm{答. 9\cfrac{293}{299}}}\)
(2)
かけ算、わり算の結合法則、分配法則の利用は最も基本的な計算の工夫です。
\begin{align*}
& \frac{1}{2}\times8\times8\times\left\{\frac{1}{4}\times1.414+\frac{1}{4}\times\left(1.414+1.732\right)\right\}\times0.25
\\[9pt]=&\frac{1}{\cancel{2}^1}\times\cancel{8}^1\times8\times\left\{\frac{1}{4}\times\left(1.414\times2+1.732\right)\right\}\times\cancel{0.25}^1
\\[9pt]=&\cancel{8}^2\times\frac{1}{\cancel{4}^1}\times4.56
\\[9pt]=&9.12
\end{align*}
\(\underline{\rm{答. 9.12}}\)
(3)
\begin{align*}
\frac{3}{14}\times\left(\boxed{\phantom{hoge}}-1\frac{2}{3}\right)-\frac{1}{28}\div\frac{3}{5}&=\left(4.5-1\frac{5}{14}\right)\div3
\\[9pt]\frac{3}{14}\times\left(\boxed{\phantom{hoge}}-1\frac{2}{3}\right)-\frac{1}{28}\times\frac{5}{3}&=\left(4\frac{7}{14}-1\frac{5}{14}\right)\div3=\frac{22}{7\times3}
\\[9pt]\frac{3}{14}\times\left(\boxed{\phantom{hoge}}-1\frac{2}{3}\right)&=\frac{22}{7\times3}+\frac{5}{28\times3}=\frac{93}{28\times3}
\\[9pt]\boxed{\phantom{hoge}}-1\frac{2}{3}&=\frac{\cancel{93}^{31}}{\cancel{28}^2\times\cancel{3}^1}\times\frac{\cancel{14}^1}{3}=5\frac{1}{6}
\\[9pt]\boxed{\phantom{hoge}}&=5\frac{1}{6}-1\frac{2}{3}=3\frac{1}{2}
\end{align*}
\(\underline{\rm{答. 3\cfrac{1}{2}}}\)
(4)
2022年入試に続き、時間の計算が出題されました。北嶺中では長さや容積、時間などの、単位を用いた計算問題が、たびたび出題されています。
\begin{align*}
& \rm{\left\{2時間27分19秒-\left(43分52秒\right)\times3+2時間2分2秒\right\}\div3}
\\[9pt]=&\rm{\left(2時間27分19秒+2時間2分2秒\right)\div3-\left(43分52秒\right)\times\cancel{3}^1\div\cancel{3}^1}
\\[9pt]=&\rm{4時間29分21秒\div3-43分52秒}
\\[9pt]=&\rm{1時間29分47秒-43分52秒}
\\[9pt]=&\rm{45分55秒}
\end{align*}
\(\underline{\rm{答. 45分55秒}}\)
◎ 大問2
小問数は例年通り5問でしたが、(1)が①と②の2題に分かれました。
取り組みやすい問題が多く、(2)、(3)、(5)は基礎レベルの問題でした。
(1)
算数では珍しい選択肢から正答を選ぶ問題となりました。大問2のはじめから見慣れない形式の問題だったので、面食らった受験生もいるかもしれません。
問題そのものは決して難問ではありません。落ち着いてていねいに取り組めば正解できるでしょう。
①
A~C群の選択肢は、以下の通りです。
A | B | C |
4×5=20 | + | 3×4=12 |
4×7=28 | – | 3×6=18 |
8×5=40 | × | 3×8=24 |
9×6=54 | ÷ | 7×9=63 |
(あ)
\(\rm{\left(\boxed{\rm{A}}\right)\boxed{\rm{B}}\left(\boxed{\rm{C}}\right)=6\times6=36}\)
54-18=36より、A=エ、B=キ、C=シとなります。
\(\underline{\rm{答. A=エ、B=キ、C=シ}}\)
(い)
\(\rm{\left(\boxed{\rm{A}}\right)\boxed{\rm{B}}\left(\boxed{\rm{C}}\right)=8\times8=64}\)
40+24=64より、A=ウ、B=カ、C=スとなります。
\(\underline{\rm{答. A=ウ、B=カ、C=ス}}\)
(う)
\(\rm{\left(\boxed{\rm{A}}\right)\boxed{\rm{B}}\left(\boxed{\rm{C}}\right)=42\times42}\)
42=2×3×7より,42×42=4×9×7×7です。したがって,4×7×7×9とすればよいので、A=イ、B=ク、C=セとなります。
\(\underline{\rm{答. A=イ、B=ク、C=セ}}\)
②
\(\left(\boxed{\rm{D}}\right)\times\left(\boxed{\rm{E}}\right)=276\times286\)
276=2×2×3×23、286=2×11×13です。
このうち、大きな素数である11、13、23に注目します。選択肢のうち、これらの数(またはその倍数)が含まれているものは、テ(44×46=2×2×2×11×23)とネ(3×13)しかありません。
また2と3の数も、276、286と一致します。したがって、D=テ、E=ネとなります。
なお、テは44×46=45×45-1×1=2025-1=2024となり、2024年度入試らしい数となっています。
\(\underline{\rm{答. D=テ、E=ネ}}\)
(2)
注意書きにあるように、125%増しの意味を取り違えないように注意しましょう。
「125%増し」を割合に言い換えると、225%です。ここから2割を減らすと、225×0.8=180(%)、つまり80%増しになります。
\(\underline{\rm{答. 80\%増し}}\)
(3)
カードの選び方は(1、1、1)、(1、1、4)、(1、1、7)、(1、2、3)、(1、4、7)、(2、3、4)、(2、3、7)の7通りがあります。
同じ数字を3個使ってできる3けたの数は1通り、2個使ってできる3けたの数は3通り、3個とも異なる数を使ってできる3けたの数は3×2=6(通り)あるので、全部で1+3+3+6+6+6+6=31(通り)になります。
\(\underline{\rm{答. 31通り}}\)
(4)
円の弧が見られるので、円周にそって図形を切り取っていったと考えられます。
右の図は、円の内部に正十二角形を描いたものです。三角形ABCが正三角形になるので、円の半径は10cmです。
したがって、円の面積は10×10×3.14=314cm\(^2\)になります。
\(\underline{\rm{答. 314cm^2}}\)
(5)
A君が20日で解く問題数は、5×19+1=96(問)以上、5×20=100(問)以下、
B君が14日で解く問題数は、7×13+1=92(問)以上、7×14=98(問)以下なので、
両方の条件を満たす問題数は、96問以上98問以下になります。
C君は、毎日2問以上同じ問題数を解いていくことができないとあることから、問題数は素数であることがわかります。96以上98以下の素数は97しかないため、答えは97問とわかります。
\(\underline{\rm{答. 97問}}\)