2024年 北嶺中学校 理科(2)
2024年度 北嶺中学校 理科 分析と解説(大問3~4)
◎大問3
(1)
ヘモグロビンは鉄と結びついたタンパク質で、鉄が赤色素をもっているので赤く見えます。
\(\underline{\rm{答. カ}}\)
(2)
人間を含めた多くの動物には、ヘモグロビンを含む赤い色の血液が流れています。
一方、イカやタコ、エビやカニ、昆虫などでは、血液中にヘモシアニンという銅と結びついたタンパク質を持っているので、血液は青く見えます。
\(\underline{\rm{答. オ}}\)
(3)
①
問いの文章に、「肺から出たヘモグロビンの95%が酸素と結びついていて、全身を回って肺にもどってきたときには45%が結びついていた」とあることから、からだの細胞に酸素をわたしたのは、95-45=50(%)とわかります。
\(\underline{\rm{答. 50\%}}\)
②
問いの文章から、心臓は1分間で\(60\times70=4200\rm{(mL)}\)の血液を送り出すことが分かります。また。血液100mL中のヘモグロビンで20mLの酸素を運ぶことができ、①から血液の50%のヘモグロビンが酸素をわたすのだから、\(4200\div100\times20\times0.5=420\rm{(mL)}\)の酸素がわたされます。
\(\underline{\rm{答. 420mL}}\)
(4)
表から、炭水化物と脂肪では、同じ1gが使われたときに放出されるされる二酸化炭素の量は、1.4-0.8=0.6(L)脂肪の方が多くなり、また、炭水化物では、使われる酸素と放出される二酸化炭素の量は同じになることが分かります。だから、使われる40Lの酸素が全部炭水化物で使われたとすると二酸化炭素は40L放出されるはずです。ここでは35.2Lの二酸化炭素しか放出されていないので、その差は脂肪が使われたことによるものと考えられます。このことから、使われた脂肪は\(\left(40-35.2\right)\div0.6=8\rm{(g)}\)とわかります。そして、8gの脂肪は\(2\times8=16\rm{L}\)の酸素を使うので、残りの40-16=24(L)が炭水化物で使われたことになり、その量は\(24\div0.8=30\rm{(g)}\)です。
\(\underline{\rm{答. 炭水化物\cdots30g、脂肪\cdots8g}}\)
(5)
カニは一生エラで呼吸します。カニが陸上で生活できるのは、体内にある水を少しずつエラに染み込ませて、水に含まれている酸素を吸収しているからです。
とくに、アカテガニのような陸生のカニでは、一度得た水を何度も循環させることで、長い時間水からはなれた環境でも生きることができます。
\(\underline{\rm{答. オ}}\)
(6)
空気中の酸素の体積はおよそ21%、二酸化炭素はおよそ0.04%です。
ヒトは呼吸で、酸素を取り入れ二酸化炭素を排出しますので、はく息に含まれる酸素はおよそ18%、二酸化炭素はおよそ3%になります。
\(\underline{\rm{答. エ}}\)
◎大問4
(1)
アルコール発酵は、酵母が糖を分解してエタノールと二酸化炭素を生成する反応です。アルコール飲料やパン生地を膨らませるために古くから利用されてきました。
\(\underline{\rm{答. ア}}\)
(2)
エタノールは化学的にも合成できますが、(3)の問いの文にあるように、植物を原料にして作ったエタノールは、環境に配慮した燃料として使用することができます。
これは「バイオ(=生物の)エタノール」とよばれています。
\(\underline{\rm{答. バイオ}}\)
(3)
「ニュートラル」は中立的、中間的という意味を持っています。
「温室効果ガスの吸収量と排出量を等しくして温室効果ガスの変化を実質ゼロにする」という考え方を「カーボン(=炭素)ニュートラル」とよびます。
\(\underline{\rm{答. ウ}}\)
(4)
①
問題にある「燃焼させたエタノールの重さ」の表から、燃焼させたエタノールの重さと発生した二酸化炭素や水の重さは比例することが分かります。したがって、エタノールが初めの\(115\div23=5\rm{(倍)}\)燃焼すると、二酸化炭素は\(44\times5=220\rm{(g)}\)、水は\(27\times5=135\rm{(g)}\)発生します。
\(\underline{\rm{答. 二酸化炭素\cdots220g、水\cdots135g}}\)
②
問題文から「二酸化炭素は炭素と酸素からでき、その重さの割合は3:8」で、上記①から発生した二酸化炭素は220gとわかります。したがって、ふくまれる炭素は\(220\div(3+8)\times3=60\rm{(g)}\)です。
\(\underline{\rm{答. 60g}}\)
③
問題の表から、ガソリン50gを燃やすと発生する二酸化炭素は、\(32\times\left(50\div10\right)=160\rm{(g)}\)とわかります。
二酸化炭素には炭素と酸素が3:8でふくまれているので、この160gの二酸化炭素には\(160\div\left(3+8\right)\times3=43.636\dots\fallingdotseq43.6\rm{(g)}\)の炭素がふくまれています。
この二酸化炭素は50gのガソリンから発生したものであり、ガソリンは炭素と水素からできているので、50-43.6=6.4(g)が水素の重さとなります。したがって、炭素を1とすると\(6.4\div43.6=0.1467\dots\fallingdotseq0.15\)と表せます。
\(\underline{\rm{答. 0.15}}\)
(5)
問題の表より、エタノール23gを燃焼させたとき発生する熱の量が161kcalとわかります。したがって、エタノール50gを燃焼させた時に発生する熱は、\(161\div23\times50=350\rm{(kcal)}=350000\rm{(cal)}\)です。
0℃の氷3.5(kg)=3500(g)を0℃の水に変えるのに\(80\times3500=280000\rm{(cal)}\)使ってしまうから、残り350000-280000=70000(cal)で0℃の水3500gを温めることになります。
これより、上昇する温度は\(70000\div3500=20\rm{(℃)}\)になることがわかります。
\(\underline{\rm{答. 20℃}}\)