2023年 北嶺中学校 理科(2)

2023年度 北嶺中学校 理科 分析と解説(大問3~4)

◎大問3

(1)

モンシロチョウの幼虫は、キャベツやアブラナ、コマツナなど、アブラナ科とよばれる植物の葉を食べて育ちます。オのダイコンはアブラナ科に属します。

\(\underline{\rm{答. オ}}\)

 

(2)

卵からかえった幼虫は、初めに自分が出てきた卵の殻を食べます。これはおそらくタンパク質やカルシウムを摂るためではないかと考えられています。幼虫はそのあと、脱皮して育ちますが、その時も自分が脱皮した皮を食べます。

\(\underline{\rm{答. ウ}}\)

 

(3)

昆虫は成長の途中で、さなぎの時期があるかないかで、「完全変態」と「不完全変態」に分けられます。トンボやバッタ、セミの仲間は不完全変態、チョウやハチ、カブトムシの仲間は完全変態です。

\(\underline{\rm{答. ウ、カ}}\)

 

(4)

紫外線を見ることができるモンシロチョウには、メスのはねは白くオスのはねは黒っぽく見えます。

人にはどちらも同じような白に見えますが、よく見ると右の図のようにはねの黒い模様の幅に違いがあります。(左のオスより右のメスの方がはねのからだよりの部分の黒い模様の幅が広い)

\(\underline{\rm{答. ア}}\)

 

(5)

モンシロチョウのオスは、産卵するメスを求めて積極的に飛び回ります。そのため捕まえられるモンシロチョウはオスが多くなります。

\(\underline{\rm{答. エ}}\)

 

(6)

チョウやガのはねには、「りん粉」とよばれる細かい粉のようなものがついています。

モンシロチョウではこの鱗粉の構造がオス・メスで違っていて、問題文の北さんの会話(か)にあるように、メスのはねは紫外線を反射しチョウには明るく見え、オスのはねは紫外線を吸収しチョウには暗く見えるのです。

日焼け止めクリームは紫外線を吸収するはたらきがあるので、これをモンシロチョウのはねにぬると、はねは暗くオスのように見えると考えられます。

\(\underline{\rm{答. A\dotsりん BとC\dotsイ}}\)

 

(7)

昆虫やエビ・カニの仲間の眼は、「複眼」といって、小さな「個眼」がたくさん集まってできています。モンシロチョウでは片方の眼だけで15000個もの個眼が集まってできています。

\(\underline{\rm{答. ふくがん}}\)

 

(8)

「里山」は人々が住む集落と自然の山野の間にある、人間の影響を受けた地域のことを言います。そのため里山は、人口減少や産業構造の変化などの影響を受けやすく、そこに生活する動植物にも大きな影響を与えます。

\(\underline{\rm{答. ウ}}\)

 

 

◎大問4

(1)

水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性を代表する物質です。この選択肢の中でアルカリ性を示すものはア「重そう水」とオ「石けん水」です。

重そうは「炭酸水素ナトリウム」とよばれ、弱いアルカリ性をしめします。ベーキングパウダーの材料になります。

石けんは、油脂類にアルカリ性の薬品を混ぜて作るので、アルカリ性を示します。石けんには「界面活性作用」があり、普通は分かれてしまう水と油を混ぜることができます。

\(\underline{\rm{答. ア、オ}}\)

 

(2)

中和とは酸とアルカリを混ぜたとき、それぞれの性質が打ち消され、中性になることをいいます。

ア、イ、エ、オはそれぞれ下の表のような物質が反応します。

記号 酸性になるもの アルカリ性になるもの
クエン酸 アンモニア
胃液 炭酸水素ナトリウム
塩酸 炭酸カルシウム
二酸化炭素 石灰水

これに対し、ウの湯の花は、高温で湧出した源泉が大気に接触したとき、温度や圧力の低下、蒸発、酸素との反応などによって源泉中の温泉成分が沈殿してできたもので、中和の反応は起きていません。

\(\underline{\rm{答. ウ}}\)

 

(3)

表1から、水溶液の重さが100gの時も200gの時も、水酸化ナトリウムの重さが2倍になると水溶液の上昇温度も2倍になることが分かります。また、水溶液の上昇温度は水酸化ナトリウムの重さが2倍になると100gの時は4.8-2.4=2.4℃上昇し200gの時は2.4-1.2=1.2℃上昇することが分かります。

この問いでは水溶液の重さは4.5+195.5=200gですから、表の水溶液の重さが200gの方の上昇温度をもとに考え、水溶液の上昇温度は1.2×4.5=5.4℃となります。

\(\underline{\rm{答. 5.4℃}}\)

 

(4)

表2から塩酸の濃度が0.45%上がるごとに水溶液の温度は0.7℃ずつ上がります。したがってAには2.1+0.7=2.8がはいります。この値を入れた表からグラフを作成すると下の図のようになります。

\(\underline{\rm{答. A\dots2.8℃}}\)

 

(5)

実験2では2%の水酸化ナトリウム水溶液50gを使っています。

この問いでは、「1gの水酸化ナトリウムが溶けている水溶液に塩酸を反応させて中和し…」とありますが、実験2の2%の水酸化ナトリウム50gにも、50×0.02=1gの水酸化ナトリウムが溶けています。同じ1gの水酸化ナトリウムを中和させているので、実験2で中和した時とこの問いで中和する時発生する熱量は同じになります。

そして、実験2の表2から中和した時の温度上昇は2.8℃と分かります。表1の1gの水酸化ナトリウムを溶かした時の温度上昇=2.4℃を1とすると2.8÷2.4=1.16666…≒1.17となります。

\(\underline{\rm{答. 1.17}}\)

 

(6)

表2から、水酸化ナトリウム1gとちょうど中和する塩酸の重さは50×0.018=0.9(g)であることが分かります。

B 表3の⑦のビーカーでは、反応後中性になっていることからそこに含まれる塩酸は0.9gのはずです。塩酸の重さが99gでその中に0.9gの塩酸が含まれるから、その濃さBは0.9÷99×100=0.909090…≒0.91(%)です。

C ⑧のビーカーには98×0.02=1.96(g)の塩酸が入っています。これと2gの水酸化ナトリウムを反応させるのですから、水酸化ナトリウムはすべて使われ、⑦のビーカーの2倍の温度上昇をします。5.2×2=10.4(℃)

\(\underline{\rm{答. B\dots0.91 C\dots10.4}}\)

 

(7)

(6)のように、⑧のビーカーでは水酸化ナトリウムがすべて使われ、塩酸が残っているので液は酸性(=D)になります。

⑨のビーカーには96×0.0375=3.6(g)の塩酸が含まれます。(6)のように、塩酸0.9gは水酸化ナトリウム1gとちょうど中和するので、3.6gの塩酸は3.6÷0.9=4(g)の水酸化ナトリウムとちょうど中和し中性(=E)になります。

\(\underline{\rm{答. イ}}\)

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